シェルター・アーク・ジャパン株式会社

世界では当たり前!? 核シェルター普及率 0.02% の日本で、自治体は何を準備すべきか

世界では当たり前!? 核シェルター普及率 0.02% の日本で、自治体は何を準備すべきか

スイス 100%、イスラエル 100%。両国では、ほぼすべての国民が逃げ込めるシェルターが法律で整備されています。一方、日本のシェルター普及率はわずか 約 0.02%(日本核シェルター協会調べ)。主要国がそれぞれ高い普及率を備える中で、日本は突出して「空白」の国です。この事実をご存じだった自治体担当者の方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。

本記事では、世界主要国がどのように核シェルター制度を整備してきたか、それに対して日本の現状はどうなっているか、2026 年 3 月の国の基本方針で何が決まり、これから何が起きるのか、そして自治体が今から取れる初動は何かを整理します。


世界主要国のシェルター制度

スイス ─ 法律で 100% 義務化

スイスは 1962 年の民間防衛法を起点として、シェルター設置を国民に対して義務化しました。新築住宅にはシェルター(または分担金)が必要とされ、国民のほぼ全員分の収容能力が確保されています。「自分の身は自分で守る」という思想が制度として根づいている代表例です。近年は EMP(電磁パルス)攻撃への対策や、既存核シェルターの改修も進められています。

イスラエル ─ セーフルーム義務化

イスラエルは 1951 年の民間防衛法を起点に、住宅・公共建築にセーフルーム(マムード)の設置を義務化しています。学校・病院・行政施設・住宅と、すべての建築物に「逃げ込める安全な部屋」が組み込まれている前提で社会が設計されています。

韓国 ─ 地下空間を避難施設として大量指定

韓国は朝鮮半島の地政学的事情から、地下避難施設の整備を国家レベルで進めてきました。地下鉄・地下街・公共施設の地下空間を避難施設として指定する形で、人口を大きく上回る規模の収容能力を確保しているとされます。

その他の国々

ノルウェー・アメリカ・フィンランドなども、冷戦期からの蓄積に加え、近年の地政学リスクに合わせて高い水準の避難施設を整備しているとされます。各国とも、既存施設の更新・拡張を続けています。



日本の現状 ─ 緊急一時避難施設のみ

日本のシェルター普及率は 約 0.02%(日本核シェルター協会調べ)。

具体的には、内閣官房が指定する「緊急一時避難施設」が全国で 約 6 万 1,000 箇所(令和 7 年〔2025 年〕4 月時点。うち地下施設は約 4,000 箇所)あるのみで、住民の生命を 2 週間以上守れる恒久的な核シェルター・防災シェルターは、ほぼ存在しません。

なお、令和 6 年〔2024 年〕4 月時点の指定数は 58,589 箇所で、1 年で増えてはいるものの、その大半は既存の公共施設の指定です。


「緊急一時避難施設」とは、ミサイル発射等の緊急時に「最初の数時間〜数日、爆風や飛散物から身を守るための既存施設」(学校体育館・地下街・公共施設等)を指します。気密性・特殊換気・陽圧維持といった本格的なシェルター機能は備えていません。

つまり日本は、緊急事態への「一時退避」の枠組みはあるものの、「腰を据えて 2 週間生き延びる」前提のシェルターは未整備、という状態です。

2026 年 3 月の閣議決定と、これからの 3 年

閣議決定で何が決まったか

国もこの空白の状態を認識しています。2026 年 3 月 31 日、政府は「緊急事態を想定した避難施設(シェルター)の確保に関する基本方針」を閣議決定しました。骨子は次のとおりです。

  • 2030 年までに、市区町村単位で全住民を収容できる数(人口カバー率 100%)を確保することを目標に設定。従来の都道府県単位の目標から、より細かい市区町村単位へと精緻化されました。

  • 地下街・地下駐車場など 民間の既存地下施設の活用を促進。滞在機能の充実に加え、容積率の緩和事業者の表彰といった奨励策で、民間の取り組みや投資を後押しする方針。

  • 平時は駐車場や一時滞在施設、有事は避難施設として使う デュアルユース(多目的利用)を推進。昼間人口も考慮した整備への見直しも盛り込まれました。

  • 核兵器を含む過酷な攻撃に備えた核シェルターの調査研究を加速

一方で、本格的なシェルター整備に対する具体的な財政支援(補助金・助成制度)は、この基本方針の時点では示されていません。制度設計は今後の課題として残されています。

ここが、自治体にとって最も重要な「これからの論点」です。


閣議決定の「あと」に動き始めたこと(2026 年〜)

  • 政府は 「1 年後を目途に」技術仕様や優先的に整備する地域を整理する方針を示しています。つまり 2027 年初頭ごろにかけて、何を・どこに・どんな基準で作るかが具体化していく見込みです。

  • 先行整備は 先島諸島で進行中です。対象は与那国町・石垣市・宮古島市・竹富町・多良間村の 5 市町村。2 週間滞在できる避難施設を、国が設計費を支援し、着工後は防衛省・総務省消防庁が財政措置(最大 9 割の財政支援方針)。技術ガイドラインとして、壁・床厚 30cm 以上の鉄筋コンクリート造、飲食料の備蓄、電源・通信・空調などのライフライン、1 人当たり約 2 ㎡のスペースといった要件が示されています。具体例として、与那国町は役場新庁舎の地下に約 200 人規模を 2027 年度末の供用開始目標、宮古島市は新総合体育館の地下駐車場を約 500 人収容のシェルターとして整備する計画です。

  • 国会では「シェルター・地下利用促進議員連盟」が活動し(海外視察など)、法整備・税制・財政支援のあり方が論点になっています。

今後 3 年の見通し(2026〜2029・弊社予測)

以下は、基本方針と先行事例から読める見通しであり、確定した計画ではありません。

  • 2026 年度:技術仕様・優先地域の整理が進む段階。多くの自治体は当面、既存の堅牢な建物・地下施設を「緊急一時避難施設」として指定する“上積み”が中心になり、本格的なシェルター整備は先島諸島の先行事例が軸になると見られます。

  • 2027 年度:技術仕様が固まり、先島諸島で初の本格的な避難施設が供用開始(与那国・宮古島)。優先度の高い地域・施設での整備の議論が本格化し、財政支援制度の設計が最大の焦点になる見込みです。

  • 2028〜2029 年度:2030 年目標に向けた全国展開フェーズ。容積率緩和・表彰などのインセンティブ運用の拡大、財政支援制度の具体化が進むかどうかが鍵になります。


自治体にとって大事なのは、「国の制度が固まるのを待つ」ことではなく、固まる前の今のうちに、地域内で優先施設の洗い出し・関係者の合意形成・民間先行事例との連携を準備しておくことです。


自治体が今から取れる初動 3 つ

「指示が下りるまで待つ」のではなく、自治体担当者の方が今から動ける範囲を 3 つに整理します。

1. 情報収集

  • 内閣官房・消防庁の防災シェルター関連ガイドラインの最新版を取得する

  • 先島諸島の整備状況・予算配分・設計仕様を参考事例として確認する

  • 自治体内の防災・施設管理部門で、関連情報の一次窓口を決める

2. 勉強会の開催・参加

  • 民間事業者と連携した自治体向け勉強会を企画する

  • 議員・地域防災担当者・施設管理者の三者で課題感を共有する

  • 業界横断的な情報交換の場に参加する

3. 民間先行事例との連携

  • 地域内の民間事業者がシェルター導入を進める場合、行政が「視察対象」「情報提供先」として関与する

  • モデルケース(学校・介護施設・公共施設の一部)として、補助金活用や予算項目化を検討する

  • 大規模災害訓練・地域防災イベントでのシェルター展示・体験を企画する

「先手の啓発」というスタンス

シェルター・アーク・ジャパン株式会社は、「指示が下りるまで待つ」のではなく「先手で啓発する」スタンスを取っています。経営母体である弥杜工業が奈良で防災シェルター事業に踏み出した経緯は、「シェルター・アーク・ジャパン株式会社、奈良発で始動」で詳しくご紹介しています。

弊社は、日本のシェルターメーカー WNI(ワールドネットインターナショナル株式会社)が製造する防災シェルターを取り扱い、全国シェルター普及プログラム「シェルターアップ+30(SUP+30)」のネットワークの一員として活動しており、奈良県を起点に大阪府・関西全域を対応エリアとしています。

具体的には、自治体担当者の方が使える資料・データ・モデルケースを提供しています。プレスリリース・地域勉強会・展示会出展を通じて、日本のシェルター空白を埋める下地づくりに取り組んでいます。

自治体担当者の方で、関連情報・資料・勉強会についてご関心のある方は、お気軽にご相談ください。

出典(一次情報・報道)

〒630-8115 奈良県奈良市大宮町7-1-65-1

TEL:0742-93-4563(受付時間:平日 9:00〜17:00)

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