シェルター・アーク・ジャパン株式会社

2026 年版・自治体担当者のための核シェルター入門  国の方針と「緊急一時避難施設」を踏まえた選択肢

2026 年版・自治体担当者のための核シェルター入門  国の方針と「緊急一時避難施設」を踏まえた選択肢

核シェルター・防災シェルターをめぐる国の方針は、2024 年の「基本的考え方」から 2026 年 3 月の基本方針へと、この 2 年で大きく前に進みました。それでも自治体の現場では「方針は知っているが、市への具体的な指示は下りていない」という状態が続いています。

本記事は、自治体担当者の方が「上司や議会から核シェルター・防災シェルターへの対応を聞かれたとき、最低限ここまでは答えられる」という基礎を整理することを目的としています。

自治体現場の戸惑い

弊社が地方自治体の防災・危機管理のご担当部署とお話しする中でも、現場のご担当者から率直なお声を頂きます。

  • 「閣議決定は知っているが、何を準備すればよいか具体的指示が来ていない」

  • 「現状では『相談があれば支援する』という受動的なスタンスにならざるを得ない」

  • 「耐震補強の限界は認識しているが、シェルターをそこに当てはめる発想がまだ整理できていない」

これは特定の自治体に限った話ではなく、多くの自治体に共通する現在地と思われます。

2026 年 3 月閣議決定の中身

2026 年 3 月 31 日に政府が閣議決定した基本方針の骨子は、以下のとおりです。

項目

内容

対象事態

武力攻撃(弾道ミサイル等)・大規模自然災害・CBRN(化学・生物・放射性物質・核)など緊急事態

整備目標

2030 年までに市区町村単位で全住民を収容(人口カバー率 100%)。従来の都道府県単位から精緻化

進め方

国・地方・民間の連携。地下街・地下駐車場など民間の地下施設の活用を促進し、容積率緩和・事業者表彰で後押し

多目的利用

平時は駐車場・一時滞在、有事は避難に使う「デュアルユース」を推進

核シェルター

核兵器を含む過酷な攻撃に備えた核シェルターの調査研究を加速

先行整備

先島諸島(与那国町・石垣市・宮古島市・竹富町・多良間村)で先行

押さえるべき点は三つです。


ひとつは、整備の「単位」が市区町村まで細かくなったこと。

都道府県単位ではすでにほぼ達成済みで、「県全体では足りていても、住民が実際に逃げ込める範囲に施設があるとは限らない」という実態に踏み込みました。自治体ごとの当事者性が一段と高まっています。

ふたつ目は、核シェルターが国の検討対象として正面から書かれたこと。

爆風・熱線・放射線に備える核シェルターの調査研究を「加速する」とされました。裏を返せば、国や自治体が管理する核シェルターは現時点で国内に存在せず、これから整備していく領域だということです。

みっつ目は、肝心の財政支援がまだ空白なこと。

本格的なシェルター整備への補助金・助成制度はこの基本方針に盛り込まれず、「防災・国土強靱化の施策とセットで進める」とされるにとどまりました。ここが、自治体にとって最も重要な「これからの論点」です。

普及率の国際比較や閣議決定後の見通しは、別記事「世界では当たり前、日本だけが空白 ─ 核シェルター普及率 0.02%」で扱います。本記事は「今・現行制度の範囲で何ができるか」に絞ります。

緊急一時避難施設ガイドラインとの位置づけ


混同されがちですが、「緊急一時避難施設」と「シェルター」は別物です。

緊急一時避難施設は、弾道ミサイルなどの爆風や飛散物から数時間から数日だけ身を守る「一時退避先」です。国民保護法にもとづき、都道府県知事(政令市は市長)が、コンクリート造りの堅ろうな建物や地下街・地下駅舎・地下駐車場といった既存施設を「指定」していきます。新たに建てるのではなく、既存の建物や地下空間を避難先として登録する仕組みで、指定には施設管理者の同意が要ります。国は令和 3 年度からの 5 年間を「集中取組期間」とし、数の少なかった地下施設の指定を重点的に進めてきました。

項目

緊急一時避難施設

シェルター

滞在時間

数時間〜数日

2 週間以上

防護対象

爆風・飛散物(一次的)

CBRN・爆風・長期生存

設備

既存施設(学校・地下街等)の活用

専用設計(換気・陽圧・気密)

法的位置づけ

都道府県知事が「指定」

個別整備

全国整備状況

約 6 万 1,000 箇所(令和 7 年〔2025〕4 月時点)

ほぼゼロ(先島諸島で先行整備中)

緊急一時避難施設は「一時退避先」、核シェルター・防災シェルターは「自立的に生き延びる場所」。両者を組み合わせて地域全体の防災インフラを設計する発想が必要です。

議員連盟・法整備の動向

国会では「シェルター・地下利用促進議員連盟」が海外視察などを通じて活動しており、法整備・税制・財政支援のあり方が論点になっています。ただし現時点で確定した制度は多くありません。財政支援は前述のとおり専用制度がなくそのあり方自体が論点で、税制面ではシェルターを「即時償却」(取得費を初年度に全額経費計上)できる固定資産区分は確認されておらず、建築基準法にもシェルターの明確な規定はなく、本格整備には新たな技術基準の策定が課題になります。

自治体が取り組める範囲

「新たな法律ができるまで動けない」訳ではありません。現行制度の範囲で検討できる経路を整理します。

モデル予算(小規模・1 件先行)

独自に予算項目を立て、防災モデル事業として 1 件のシェルター整備を行う経路です。住民説明資料・設計仕様・入札契約までを内部で経験すれば、本格展開時のフォーマットを準備できます。

既存補助金の「転用」検討

シェルター専用の補助制度はまだありません。そこで既存の防災・減災系制度(緊急防災・減災事業債、学校施設整備費、地方創生臨時交付金、国土強靱化関連の補助など)を転用できないかが論点ですが、いずれも適用は確定しておらず、各制度の所管への個別確認が要ります。補助金の詳細は別記事であらためて整理します。

民間連携モデル

民間事業者が地域内で先行整備するシェルターを、視察対象・防災訓練拠点・避難所指定対象として「行政が関与する形」で活用する経路です。設置は民間、運用・訓練連携を公私で分担します。

議員・地域防災担当者・施設経営者の三者会議

担当部署・議員・施設経営者(介護・学校・病院等)が集まり、「地域に必要なシェルター機能とは何か」を 1 回 1 時間程度で整理する経路。情報の足並みを揃えるだけでも、次の予算サイクルへの種まきになります。

想定される導入対象

優先度が高いのは、地域の指定避難所を兼ねる学校、要配慮者が集中する介護・障害者施設、医療継続が必要な病院です。次いで行政継続の核となる市役所・公民館、救援の起点となる消防・警察。一般住宅は補助制度の整備を前提とする中長期テーマと位置づけられます。

担当者がまず取れる初動

すぐ着手できるのは、内閣官房・消防庁の最新ガイドラインの確認、庁内での「シェルター関連の問い合わせ窓口」の仮設定、民間事業者からの提案を受けることの三つで、いずれも 1 時間から 1 日で動けます。そのうえで、前章の各経路を数か月から次年度サイクルで順に進めます。

弊社にできること

弊社は、説明資料・海外事例・国策動向のまとめといった資料提供、民間事業者の立場からの自治体向けセミナーの共催、先島諸島の整備状況や地域の民間導入事例の調査・整理を通じて、自治体担当者の方々を後押しします。

弊社は、日本のシェルターメーカー WNI(ワールドネットインターナショナル株式会社)の防災シェルターを取り扱い、全国シェルター普及プログラム「シェルターアップ+30(SUP+30)」の一員として、奈良県を起点に大阪府・関西全域を対応しています。経営母体である弥杜工業が奈良で防災シェルター事業に踏み出した経緯は、シェルター・アーク・ジャパン株式会社、奈良発で始動 で紹介しています。

ご相談や資料のご請求は、お気軽にお問い合わせください。相談したからといって、契約・購入を迫られることは一切ありません。

出典(一次情報・報道)

〒630-8115 奈良県奈良市大宮町7-1-65-1

TEL:0742-93-4563(受付時間:平日 9:00〜17:00)

「建てるその先「備えるパートナー。

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シェルター・アーク・ジャパン株式会社 ©2026. All rights reserved.

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